未経験から短期間で教習指導員に。さらなる飛躍へ向け、只今奮闘中!

『呉羽自動車学校』教習指導員・馬瀬口 裕也さん

自動車教習所で自動車運転に必要な知識・技能を教える教習指導員。その資格を未経験ながら、たった数ヶ月で取得したのが馬瀬口 裕也さん(28)。難しいといわれる教習指導員資格試験の合格を勝ちとれた秘訣とは。また、教習指導員としてひとり立ちして半年が経つ今、感じているやりがいやこれから目指したい目標について迫った。

大阪からUターンし未経験で入社を決意

馬瀬口さんは普通免許取得の学科・技能教習を担当する教習指導員。2023年3月に入社し、勤続わずか1年ながら、教習生から屈指の人気を誇る。「さては経験者?」とおもいきや、教習指導員はおろか教習所業界も未経験とのこと。ゼロからの積み重ねが必要になる仕事をあえて選択したのはなぜか。また、その選択に不安はなかったのか。

馬瀬口さん:大阪で音楽活動をしていたのですが、そろそろ区切りを付けようと富山へのUターンを決意しました。就職先を探しているときに出会ったのが『呉羽自動車学校』。給与や待遇はもちろんですが、いとこが働いていたことが決め手になりました。話を聞いているうちに、雰囲気のよさが伝わり、業務内容にも興味が湧いて、面接を受けることにしたんです。

結果、見事合格し新たな一歩を踏み出した馬瀬口さん。「分からないことはどんどん聞きます。先輩方もしっかりと答えてくださるので、仕事への不安はなかったですね」と笑顔。馬瀬口さんの積極的な性格と先輩方の献身的なサポートに、急成長のヒミツがありそうだ。

教習指導員資格試験に一発合格!その秘訣は?

教習指導員資格は国家資格。合格率は6割程度と難易度が高めだが、馬瀬口さんはわずか入社後約3ヶ月で取得した。通常業務をしながら試験勉強に取り組む。その日々はいったいどのようなものだったのか。

馬瀬口さん:入社直後に担当したのは教習生の方々の送迎。先輩が運転する送迎車に同乗し、乗降場所を覚えるところからはじめました。それが完璧にできるようになり、試験勉強をはじめたのが入社後約2ヶ月が経った5月。6月の試験に向け、勤務中や帰宅後に時間を見つけてひたすら勉強しました。

固定給で安定した収入が得られたことにより、通常業務はもちろん試験勉強にも集中できたと語る馬瀬口さん。話を聞いているとすべて順調に進んだ印象を受けるが、はたして。

馬瀬口さん:試験項目は筆記3項目・実技3項目の全6項目。なかでも技能教習方法といって、教習生の方々にどう教えるかを評価する実技試験にかなり苦戦しました。例えば、なにかを伝えるとき、Aさんには伝わるけれど、Bさんには伝わらない。こういったことを解消するために、いろいろな先輩にアドバイスをもらいにいきました。そして、その中から自分に合ったものを取り入れ、言葉遣い、声の調子、会話のテンポなどを、教習生の方々に合わせて最適化していきました。

その他、先輩方がまとめてくれたプリントを活用してポイントを暗記するなど、日々の努力が実を結び、試験には一発で合格。ともに受験した仲間がいたことも心強かったそうで、「自分だけではたぶん無理でした。いろいろな方々の支えがあったからこそ得られた結果だと思います」と、はにかむ馬瀬口さん。

楽しみながら受けられる教習を目指して

晴れて教習指導員となった馬瀬口さん。まずは先輩の教習車に同乗し技能教習を体感。どのような内容をどのような手順・方法で指導するのかを間近に見てとり、約2週間後にひとり立ちした。

馬瀬口さん:はじめは緊張しすぎるあまり、何をするにもたどたどしかったです。今はある程度慣れて、どうしたらもっと良くなるかを考えられるようになりました。教習生の方々にとっては自動車運転は初体験です。エンジンのかけ方も、アクセル・ブレーキの踏み方も、ハンドルの切り方も分からないということをいつも念頭に置きながら指導するようにしています。また、教習生の方々一人ひとりの人間性を理解し、心を開いてもらえるコミュニケーションをとるようにも心掛けています。やっぱり少しでも楽しく教習を受けてもらいたいですから。

続けて、「とはいえ、難しさを感じることはしょっちゅう」と馬瀬口さん。壁にぶつかったときはどうしているのか。

馬瀬口さん:悩んだりした時は先輩方に相談しています。私自身はざっくばらんに接するタイプなのですが、みなさんもそれに合わせてくださるので、どんな些細なことでも気負わずに相談できています。教習指導員資格取得の試験の時もそうでしたが、先輩方のサポートがなければ今の自分はないと思っています。

馬瀬口さんの話から伺えたのは良好な人間関係。のびのびと成長していける職場もまた『呉羽自動車学校』の大きな魅力だ。

仕事の幅を広げるべく新たな資格取得も視野に

入社以来、試験に指導にと過ごしてきた、短くも濃い日々。一人前の教習指導員となって半年が経ち、いくらかの余裕がもてるようになった馬瀬口さんは、今なにを感じ、なにを目指すのか。

馬瀬口さん:今は教習生の方々の成長に大きなやりがいを感じています。最初は心許なかった教習生の方々が、卒業検定で上達しているのを見るとすごくうれしくなりますね。また、今後は新たな資格を取得していきたいです。現時点でもっているのは普通免許の教習指導員資格のみですが、普通自動二輪や中型自動車、大型自動車の教習指導員資格、さらには、技能検定の採点を行なう検定員資格も取得して、仕事の幅をもっともっと広げていきたいです。

俯瞰視点から運転をチェックできるスカイビューカメラなど最新機器の導入により、開校60周年を迎えてさらに進化していく『呉羽自動車学校』。その屋台骨を支える一人として、着々と力を蓄える馬瀬口さんのさらなる活躍が楽しみだ。