規模拡大と設備充実がもたらしたものは? 『富山いすゞ自動車』の新工場をレポート!

写真左:サービス部の石原大悟さん、写真右:サービス部の米本孝樹さん

2023年11月、富山市杉谷に完成した『富山いすゞ自動車』。前回の新社屋に引き続いて、今回は整備や鈑金をおこなう新工場をレポート。規模が拡大し設備が充実したとのことだが、具体的にどのように変わったのか、そして、それによってエンジニアにどのような影響がもたらされたのか、詳しく探る。

作業の効率性・安全性・快適性を追求

新工場を案内してくれたのは石原大悟さんと米本孝樹さん。ともにサービス部に所属するエンジニアで、石原さんは点検・整備を、米本さんは鈑金・塗装を担当している。効率性・安全性・快適性に取り組んだ新工場。日々、作業に勤しむ2人の実感ははたして?  リアルな声を聞いた。

石原さん:確かに、効率性・安全性・快適性の課題解決ができていると感じます。フロアリフトが増えたことで作業がスムーズになりましたし、転落防止装置が備わったことで事故が少なくなりました。夏場の作業はまだ経験していませんが、空調が付いたことでかなり体がラクになるのではと今から期待しているんですよ。

米本さん:整備工場の設備が充実したように、鈑金工場の設備も充実しました。しかも、大規模なもの・最新鋭のものが揃い、作業効率・作業品質が向上しています。また、これまでできなかった作業もできるようになり、自分の技術の幅が広がるチャンスだとおもっています。

2人から聞こえてきたのはとてもポジティブな声。いったいどんな新工場なのか? 百聞は一見に如かず、さっそく整備工場へ向かった。

連節バス対応リフトや大型塗装ブースも

整備工場を訪れてまず目に飛び込んできたのがずらりと並ぶトラック。クレーンに吊り下げられているものや、フロアリフトに据え付けられているものがあり、不具合のチェックやメンテナンスを行おうと、その間をエンジニアが行き交う。快活な掛け声や、機械の作動音が響くなか、生まれ変わった整備工場について、石原さんに改めて聞いた。

石原さん:以前は設備の数も種類も限られていて、どのトラックをどの場所に搬入するか、シフトを組むのが難しかったんです。でも、今はパッと場所を決めて作業がはじめられる。しかも、フロアリフトの下部空間がつながっているので複数台を並行して整備できたり、転落防止装置が備わっているのでまさかの事態を回避できたり、いくつもの工夫があるおかげで効率性や安全性をますます向上できています。最長25mの大型トレーラーや連節バスを分離することなく持ち上げられる設備を導入したのも大きく変わった点。多くの台数を種類問わず受け入れて素早く引き渡す。これを可能にする体制が整ったことで、さらなるお客様満足が達成できると考えています。

続いて訪れたのは鈑金工場。ここではおもにトラックのキズや凹みの修復が行なわれており、整備工場とはまた違った雰囲気が漂う。「見てもらいたい施設があるんですよ!」と米本さんが案内してくれたのは塗装ブース。LED照明が輝く白一色の空間には、塗装を終えてまもないピカピカのトラックが存在感たっぷりに構えている。

米本さん:塗装ブースは規模が拡大し設備が充実しました。広々とした空間には、個別に点灯・消灯できるLED照明や、タッチパネルで操作できる集塵機が完備されていて、効率よくかつ完成度高く塗装ができています。空調も完備されていて、作業に集中できるようになり、事故防止にもつながっていますね。塗料を調合する調色室も広く明るくなり、ねらった色を再現しやすく、備品の管理もしやすくなっています。

加えて、鈑金工場にもフロアリフトが導入されたのだそう。今後、現場力の向上にどのような効果をもたらしていくのか、期待は高まるばかりだ。

仮眠もとれるエンジニア専用休憩室

お客様のトラックの安心・安全を守ろうと、日々奮闘するエンジニアたち。彼ら専用の休憩室があるとのことでのぞかせてもらうと、そこにはロッカースペースやシャワールームのほか、ゆったりとした畳スペースが。体も心もリフレッシュできる、そんな雰囲気でいっぱいだ。

石原さん:じつはこれほど広い畳スペースがあるのはエンジニア専用休憩室だけ。私たちの仕事は体力勝負になることもしばしばなので、昼食後、ゴロンと横になれるのは助かりますね。

米本さん:作業着はクリーニングに出してもらえるのですが、キレイになったものを並べておけるスペースがあるんです。以前はそういったスペースがなく、ロッカーまわりがぐちゃぐちゃになるなど不便でしたが、それが解消されて出勤・退勤時の支度がしやすくなりました。

おもむろに畳スペースに座り、雑談をはじめた2人は、どこかリラックスした表情。しっかりと休憩できる環境もまた、いい仕事をするには欠かせないようだ。

新工場をステージにさらなる飛躍を

新工場が稼働して約3ヶ月。設備の充実などによって環境が整い、作業効率・作業品質の向上に手応えを感じはじめた今、2人はこれからにどのような展望を抱いているのだろうか。

石原さん:整備をしているといろんな場面で求められるのが電気関係の知識と技術。円滑な作業のためには絶対不可欠なので、指導を徹底していきたいと考えています。

米本さん:受入台数の増加とともにエンジニア数も増加していくなかで、若手を中心に技術を継承していくことが大切だと感じています。と同時に、自分の技術の研鑽も必要。鈑金工場のエンジニアみんなでレベルアップしていきたいですね。

2人から語られたのは次代を担う人材育成への意気込み。目線はつねにまっすぐ先。新工場をステージにますます活躍していくであろうエンジニアたちの未来が楽しみだ。