エンジニアだけじゃない!富山いすゞ自動車とお客様をつなぐフロント&外部販売員の仕事とは?

左から『富山いすゞ自動車』副工場長の松下 好宏さん・アドバイザー(フロント)の浮橋 祥太郎さん・MA(外部販売員)の松田 悠太さん

『富山いすゞ自動車』のサービス部には、トラックやバスなどを点検・修理・整備するエンジニア(整備士)のほかに、アドバイザー(フロント)とメンテナンスアドバイザー(MA・外部販売員)がいる。いずれも『富山いすゞ自動車』とお客様の橋渡し役で、会社の“顔”となる重要なポジションだ。今回はアドバイザーである浮橋 祥太郎さん(31)とMAの松田 悠太さん(30)、2人のよき相談相手であるサービス・部品本部兼富山営業所副工場長の松下 好宏さん(45)の3人に、仕事の内容や楽しさをうかがった。

エンジニアだけでないサービス部門のお仕事

中途採用から17年目の松下 好宏さんはサービス・部品本部でエンジニアの教育から、売上や事業計画作成などの運営まで、幅広く携わるベテラン社員だ。富山営業所の副工場長も兼務し、フォローにあたる。

サービス部には、販売した車のアフターサービスを行う様々な役割がある。依頼から引き渡しまで一連の流れを、松下さんに簡単に説明してもらった。

松下さん:お客様の車が故障した時、電話などで第一報を受け、最初に問診やクレーム対応、課題解決の提案をするのがアドバイザー(フロント)です。作業内容により、引き取りやお客様のところに出向いて問診しなくてはならない場合はメンテナンスアドバイザー(MA・外部販売員)が対応します。このほか、MAが入庫促進(営業)して獲得した車検や定期点検を行う車もフロントにつなぎます。
修理・整備内容を、エンジニアのディスパッチャ(現場で仕事を割り振り、作業の進捗管理をする役割)に指示するのはアドバイザーの役目。すべて終えたらアドバイザーが報告を受け、お客様に内容を伝えて引き渡します。

お客様の声を最初に聞く「フロントは顔」。

具体的な仕事内容や、やりがいなどをそれぞれ詳しく聞いてみよう。
入社11年目の浮橋祥太郎さんは、フロント業務歴は約1年半。富山営業所には浮橋さんを含む4人のアドバイザーと受付の計5人が在籍する。

浮橋さん:お客様と最初にコミュニケーションをとるのが僕たちなので「フロントは顔」と言われます。ですからお客様に対する言葉遣い、話すトーン、冷静に対応することを心がけています。さまざまな質問や電話がフロントに入ってくるので、何がトラブルの元になっているかしっかり聞き、各部署や担当に振り分けます。エンジニアとお客様の両方からしっかり話を聞き取り、状況を伝えることが大事。どちらか一方に負担がかかったり、無理をしたりすると、いいものにはならないし解決にならない。両方の想いにうまく応えられ、感謝の言葉をいただけた時に、達成感を感じます。

フロント業務はとにかく忙しい。電話応対のほかにもパソコンを使った伝票処理など事務作業もあり、黙々と自分の仕事をこなすことが多いそう。だからこそ、何かトラブルや困ったことがあれば、職場の仲間で相談して協力する。結束力も強い。仕事はハードな分、給与面で報われる部分もあるらしい。

外部販売員はコミュニケーション力と管理能力

松田さんの仕事現場に同行。日頃の松田さんの仕事ぶりについて取材した。

メンテナンスアドバイザー(MA・外部販売員)の松田 悠太さんにも話を聞いていこう。松田さんは入社10年目でMA歴3年。富山営業所には松田さんを含めてMA3人が所属。10歳、20歳年上の先輩と楽しく仕事に打ち込んでいるそう。

松田さん:普段は、車検や修理のご要望をいただいたお客様に訪問するなど、外回りの仕事が多いです。どちらかというと個人裁量で動き、お客様と会うことが多いため、会社に戻って先輩方と会うとホッとします。気さくな方達で気も合う。仕事終わりや休日に飲みに行ったり遊んだりもします。「松田くんでないと」とお客様に頼りにされ、期待に応えられた時がうれしいですね。またお客様の業界は車検や点検整備の期日など厳しく、少しのミスも許されない責任があります。お客様は台数を管理しきれない部分もあると思うので、一覧表を作成して渡すなど、手助けできるよう心がけています。

今回は松田さんの仕事現場にも同行させてもらった。お伺いしたのは富山市一本木にある『日本海ロジテック』さん。松田さんが担当して3年ほど経つそう。今回の主な目的は、3カ月点検や車検の段取りについての確認である。持ち前の明るさとユニークさで楽しく会話しながら打ち合わせを進める松田さん。『日本海ロジテック』さんにも日頃の松田さんについて聞いてみた。

日本海ロジテック担当者さん:話すと元気をもらえるような、明るい松田さんですが、実はすごくマメなんです!私たちがうっかりしていても、しっかりと松田さんが車検や点検などのスケジュールを把握してくれているので安心して任せられます。豪快そうに見えてとても細やかな対応をしてくださる方です。また、元エンジニアさんということもあって、車両の調子が悪いときや少し気になる部分がある際に、「ちょっと見てみますね!」と軽く点検してくれるのもありがたいです。

MAの仕事は、コミュニケーション力や社交性に加えて、実は地道な努力と管理能力が求められる。細やかな気遣いや徹底したスケジュール管理と愛されるキャラクターでお客様との信頼を築いている松田さん。現場でのやりとりを通して、責任感の強さも垣間見ることができた。

キャリアチェンジで、より長く安心して働ける

アドバイザーやMAは、基本的にエンジニアからスタート。中途採用でMAになる人もいるが、現場で経験を積み、キャリアアップする形が主流だ。特にトラックの場合、高度な知識とスキルがないと、お客様の質問や難しい修理依頼に対応できない。

松下さん:浮橋君は豊富な知識、松田君は人付き合いのよさ、そして2人とも、様々な困難を乗り越えてきた経験と高い技術力がある。部署異動には、その人の素質、能力、努力にも注目します。

松田さん:MAを打診された時、正直いろいろ悩みました。僕はプライベートでは喋るのが好きなので、松下さんはそれに気づいてくれて「やってみたらどう?」と。ちょっと不安だったのですが、松下さんが言うならやってみようかと。やらせていただいたら楽しくて、いま幸せです。正直、エンジニアより断然向いていましたね。

一方で、今の仕事があわなかったら上司や役員と相談し、異動した部署で自分の力を試せる “キャリアチェンジ”できるのも良い点だという。仕事が合わないから辞めるという人はほとんどいないそう。より長く安心して働くために、適材適所で自分を輝かせる舞台が用意されている。

富山で働き、地域を支える醍醐味

浮橋さん、松田さんはずっと県内で過ごし、就職先も富山を選んだ。富山で働くメリットや、オフの日の過ごし方をうかがった。

浮橋さん:静かなところが好きなので、ガチャガチャとした都会は結構苦手で疲れる。落ち着いて仕事できるところは、やっぱり地元富山かなと。高校時代の仲間たちと草野球チームも楽しんでいます。昔からの友達とずっと仲良くできるとこともいい点ですね。
あとは、自分が整備や修理依頼した車両に、バス旅行で乗車したことがあるんですよ。それに普段お世話になっている宅急便のトラックが活躍して働いているところを見ると「きちんと整備することで、地域の物流やドライバーの安全を支えている」と実感します。

松田さん:僕は浮橋さんと逆で、本当は都会がめちゃくちゃ大好き。富山で頑張って稼いで、都会に遊びに行く! ライブや飲みにもよく行きます。僕は趣味が多くて、夏は海、冬は雪山、春秋はゴルフやビーチボールバレーなど。富山では自然を楽しんで、パーっと都会で遊ぶ、本当にはっきりしていますね。

最後に3人の今後の目標をお聞きした。

浮橋さん:フロント業務は本当に正解がなく、これをしておけば大丈夫ということがない。常に新しいことに対する対応力が必要。お客様の“最初の顔”になるので、会社のことや『富山いすゞ自動車』全体に対する幅広い知識を増やす必要がある。知識と経験を積んでもっと迅速に対応できるようになりたい。

松田さん:MAはお客様との長い付き合いで信頼や絆を築くことが大事。そのために知識を上げ、管理能力ももっと高めたい。気遣いや礼儀、「お客様の痒いところに手が届く」能力を伸ばし、お客様に喜んでもらい、アドバイスできる人になれるよう努力します。

松下さん:社員全員が「健康で普通に仕事ができる」「毎日楽しく仕事ができる」「安全を優先する」これに尽きますね。そのためにどうしたらよいかをいつも考えています。

いよいよ11月に新しい本社・工場が完成する。工場が完成すると整備能力が2倍になる予定で、入庫も増える。ハードながらも、責任感とやりがいに燃える2人。それを温かくサポートする松下さん。師弟トリオの活躍がますます期待される。