快適な職場環境や充実した福利厚生制度は、働く上でやりがいと同じくらい重要なポイント。『コマツ富山』は2021年から3年連続で「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」に認定されていたり、「とやま健康企業宣言」において「STEPⅡ金の認定」を県内30番目の速さで取得していたりと、社員の健康や職場環境の改善に力を注いでいる。
今回は社員や会社を支える、総務を担当する磯部 翔さん(業務部)と、労働組合でコマツ富山代表も務めるサービス営業の坂田 夏輝さん(富山支店サービス課)にインタビュー。実はお2人とも、男性育休の取得経験者。育休の裏話や、働きやすさへの取り組み、従業員の健康へのサポートについて、クローズアップした。
エンジニアが快適に働ける環境づくり
『コマツ富山』の社員や社内のあれこれを、細かい部分までサポートするのが業務部。磯部 翔さん(32)は中途入社の7年目で、社内の一部では「困ったら磯部!」の合言葉があるほど、頼りになる存在だ。
磯部さんの仕事は幅広い。人事労務(社員の残業や出退勤管理)、社員のパソコンや携帯電話の貸与・管理、採用事務、社内イベントの企画運営・司会、健康経営や福利厚生制度の社員への周知、社会保険や補助金・給付金の手続き事務、広報(HP、SNS発信)など、あらゆる業務をカバーする。
磯部さん:建設機械というと泥くさいイメージがあるかもしれません。実際はクリーンで快適に働けるよう様々な工夫をして、みんなイキイキと働いています。その仕事の様子や社内の雰囲気を会社説明会やInstagramで発信。会社のイメージアップに努めています。
建設機械の修理・メンテナンスに励むサービスエンジニア(整備士)が働きやすい環境にも力をいれる。例えば、夏場にはファン付き空調服や通気性の良いメッシュのつなぎの貸与、「熱中症対策ドリンク」の支給が好評だ。新築された呉西支店や現在建設中の新川支店の工場は、スポットクーラーだけでなく暖房など空調設備もバッチリ。さらに将来、女性整備士のためにシャワールームや女性更衣室を設置している。
福利厚生の利用を推進し“健康経営”に取り組む
『コマツ富山』は2017年に「健康企業宣言」を行い、2021年から3年連続で「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」に認定。2021年には県内30番目に「とやま健康企業宣言・STEPⅡ金の認定」を取得。「令和3年度とやま健康経営企業大賞」や「スポーツエールカンパニー2023」にも選ばれた。また「SDGs宣言」の中でも健康経営に取り組み、社員とその家族が心身ともに健康で、元気に安全に働ける職場を目指している。
健康経営の中で特徴的なのが、「禁煙」の取り組みと、アプリやイベントを通した「ウォーキング」による運動習慣の定着である。2016年から禁煙外来自己負担額を全額補助する制度をスタート。これまでに5人が制度を利用して禁煙に成功した。さらに健康保険組合と連携して、禁煙プログラムをサポートするアプリを導入し、より取り組みやすくした。ウォーキングに関しては懇親も兼ね、従業員から参加者を募り富山市主催の「さくらウォーク」に参加。また健康スマホアプリを活用したウォークラリーイベントと歩数競争イベントを社内で行い、楽しみながら健康づくりと生活習慣病防止を図る。
磯部さん:上位入賞者には表彰状や副賞(健康グッズ)を贈り、参加賞も設けているので、モチベーションにもなっているようです。何より社内で話題になったり、普段から散歩やウォーキングの習慣がついて健康になったと聞いたりすると、やっぱりうれしいです!
社員の皆さんが働きやすく、仕事をしやすい環境・設備を整えるのが私の役目。健康経営にしても福利厚生や各種制度をPRするだけでなく、実際に活用してもらうまで持っていくことが大事。もっと勉強して推し進めていきたいですね。
ちなみに磯部さんは、陸上競技の元国体選手。自分の得意分野を「健康経営+α」に生かしている。今後もワクワクするようなアイデアで、社内の働きやすさを改善し続ける。
育休取得で「夫婦の協力体制を築けた」
冒頭にあるように、磯部さんは2021年に男性社員で初めて育休制度を取得。また今年7月にも3人目の娘さんの誕生で、約1ヵ月の育児休業を取った。特に期間中、上の2人のお子さんの世話を余裕を持ってできたことが、奥様にも「助かった」と喜ばれたそう。
磯部さん:育休期間は、時間も気持ちも余裕を持って専念できるので、本当に取ってよかったと思います。その良さを味わってほしくて、お子さんが生まれるという社員がいると聞くと本人に、制度について詳しく説明します。また上司にもお知らせして、なるべく育休を取りやすいようバックアップしています。
既存の育児休業に加えて、昨年10月から「産後パパ育休(出生時育児休業)」がスタート。その第1号となったのが、サービス営業の坂田 夏輝さん(32)。今年6月に取得した。育休4週間のうち分割して2回取ることができる制度を利用し、奥様が退院してから最初に2週間、一度仕事に1週間出て、さらに2週間の約1ヵ月間取った。
坂田さん:はじめは収入面と自分がいない間うまく仕事を回せるか少し不安でした。ですが、僕はコマツ富山の労働組合のトップなので、自分が道を開けば、あとの社員が取りやすくなるだろうと決断しました。仕事面は職場の仲間がカバーしてくれたのでなんとか回りましたが、お客様には育休中と伝えておらず、対応せざるを得ない場面も。電話の話し声で子どもが起きてしまったりと、最初は苦戦することもありました。
そこで1週間一度戻った時に溜まっていた仕事を片付け、坂田さんしか知らなかった仕事を仲間にしっかり伝達できたことで、次の育休2週間はスムーズに運んだそう。
坂田さん:子どもは本当に可愛くて育休は楽しかったです。でも大変だったことも多く、その辺りは次に取る方にどんな準備をしておけばいいかアドバイスできるし、会社としての課題も見つかったと思います。大変さが分かったから、育休が終わった今もお風呂にいれたりミルクをあげたりと、夫婦の協力体制も築けています。
社員の声が届きやすく、改善も速い職場
坂田さんのサービス営業は、エンジニアの整備の仕事をとってくる営業マン。建設機械に故障や不具合が発生したら、現場に駆け付けて点検や修理の段取りを行ったり、定期的にお客様を訪問し、予防のためのメンテナンスや使い方の改善策を提案したりする。
坂田さんはもともとエンジニアで、サービス営業は7年目のトップセールスマン。エンジニアの中で営業向けの人材はいないかと社内で探していた時に、坂田さんに白羽の矢が立った。坂田さんのようなキャリアアップや、また年齢や体力面で他の業種に転換して長く働けるのも『コマツ富山』のいいところだ。
坂田さん:営業利益に直結するので重要なポジション。そこが楽しみややりがいですね。自分が受注した修理をしてもらうので、若手のエンジニアには「こうしたらもっといいよ、効率がいいよ」とアドバイスすることもあります。
入社13年目で『IKEDA Group』の3つの企業でつくる労働組合の副委員長も担う坂田さんに、コマツ富山代表として社員をどのようにサポートしているか、コマツ富山の福利厚生や制度についてうかがった。
坂田さん:僕の立場上、会社に向かって社員の声を届けたり、要求をあげたりしなければならないのですが、会社や業務部はそれが言いやすい環境で、改善のスピードも速い。うちは本当に福利厚生が年々良くなっている実感があり、働き手の声が届きやすい。
全体の組合の会議でコマツ富山の活動を報告しますが「コマツ富山がこれに取り組んでいるから、うちもやりたい」とよく言われます。うちも「こういった点に取り組みたい」とか。こういった繋がりがあり、グループ全体で福利厚生がよくなる相乗効果もありますね。
最終的には工場長を目指したいと研鑽を積む坂田さん。社員の健康や働きやすさのために日々奔走する磯部さん。「この会社で良かった」と社員に言ってもらえるよう、2人は下支えのサポートに手を抜かない。